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2007年1月 9日 (火)

ある秋の日の恐怖体験

それは見事な秋晴れの朝。

いつものように高い空に浮かぶ雲を見上げながら、ヨロヨロホロホロ駅へ向かっていた。
「おぉウロコみたい~。そういや全然釣りに行ってないなぁ...今の時期は何がいいんかなぁ~」 
などと考えながら歩いていたのだが、ふと気が付くと要注意スポットに差し掛かろうとしていた。
そこは、うっそうと草木が生い茂る斜面を見下ろす場所なのだ。

勿論、頑丈な柵はある。 しかし人間は通れないが小さな生物達は自由に出入りする事が出来るのだ。
そう、色鮮やかなトカゲ達...
急に飛び出してくる彼らに 「にょーっ!!」 などと訳の解らぬ叫び声を発し、不審気な眼差しを向けられる事数回。 気を付けるに越した事はない。
で、注意深く下を確認しながら歩いていた私の視線の片隅をチラリとかすめたものがあった。
それはトカゲではなく・・・ 伸び放題の草むらに埋もれるヒトカゲ!!

「ヒッ!」
短く息を飲み固まりかけた私だったが、好奇心の虫が騒ぎ出し、エイッと草むらへ視線を戻した。

グレーの人影... おじいさんだ。
薄いグレーの服を着たジイサンだったのだ。
一気に冷めた私はマジマジと彼を観察し始めた。
右手には傘を、左手には釣り用バケツ。
なんなのだ。そのいでたちは。
彼は悩む私の姿など眼中にないらしく、ボンヤリ空を見上げている。
その視線をたどった時、全ての謎が解けた。
柿だ。
ジイサンの視線の先には、自生し大きく育った柿が青い実をつけていたのだ。
間違いない。
彼は傘で柿の枝を引き寄せ、もぎ取り、そしてバケツに入れ持ち帰
ろうとしているのだ。

全てが解ればもう興味はない。
そしてもう時間もない。
小走りで駅へ急ぎながらも心の中で延々とジイサンに突っ込み続けた。
「頼むから、もっと爽やかに採ってくれよっ!! ホンマ怖いねんっっ!!」

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