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2007年2月26日 (月)

彷徨うくらげ

またジャングルに迷い込んだ。
いや、単なる迷子なのだが・・・
それも会社から徒歩3分の場所で。
いつもながら、見事だ。

朝、フラフラと改札を抜けようとした瞬間 『ピコーンピコーン』 と、耳障りな音がした。
はっと我に返り定期券を見てみれば、昨日で期限が切れている。
「時が経つのは早いのぉ。」
一人ブツブツ言いながら、券売機に向かう。
周りから見れば、かなりイッてしまった人だっただろう。

朝の私は、そんなもんだ。

で、昼過ぎに定期券を買いに行くついでに、昼食を仕入れて帰ろうと思ったのが、迷子の始まりだった。
「じゃあ、あっちの出口から出て、あそこでご飯買って帰ろ。」
冷静に考えれば、それはかなり危険なのだが、その時の私には根拠の無い自信が漲っていた。
定期を買い、そして意気揚々と階段を上りきった先にあったのは・・・
マッタク知らない景色だった。
いや、知っているはずの景色なのだが、違うと思ってしまったのだ。
「ありゃっ?」
あれこれと考えながらしばらく佇んでいたのだが、私は歩き出した。

違うと思ったのなら引き返せばいいのにと毎回思うのだが、何故か歩き出してしまう自分がいる。
そして迷子。

フラフラ彷徨いながらも無事 事務所に帰り、先輩に 「迷子になった。」 と打ち明けたら、首を傾げられた。
「どぉやったら、あんなトコで迷子になれるねん。」
・・・私もそれが知りたい。

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2007年2月18日 (日)

雪を食す

「雪、食べませんでしたぁ?」
小さい頃の遊びの話をしていた時にでた後輩のその問いに、私は首を横に振った。
「えぇ~っ! 雪ですよ~。 食べんかったんっすか~?」
彼女は私の反応が意外だったらしく、何度も聞いてくる。
だが、小学生の時に先生に言われた、
「積もっている雪は、ゴミや埃が混じってるから、食べちゃダメよ。」
を、未だ守り続けているカシコイ私なのだ。
何度聞かれても、首は横にしか振れない。
そんな私を見ながら、彼女は言った。
「私なんか、雪の日は家飛び出してましたよ~っ! シロップ持って!」
・・・シロップ
「かき氷のシロップっすよ~!」
「ホンマにそんな事しとったん? 雪食べとる子はおったけど、シロップかけとる子は知らんで。」
驚いて聞くと、どうやら彼女は家の近辺だけではなく、なんとスキー場にまでシロップ持参で出かけていたらしい。
真冬の天然かき氷・・・ どうやら彼女の冬の楽しみだったようだ。

「でもね~、見られたら恥ずかしいって気持ちもあったんでしょうねぇ。 人目につかん場所探して、コッソリ食べてましたもん。」
恥ずかしいとは思いながらも、かき氷への情熱は増すばかりの彼女。
まぁ、雪は誰のものでもないからいいとは思うが・・・
「・・・で、何味のシロップなん?」
気になって尋ねてみると、
「イチゴとメロンっす! やっぱそれでしょうっ!」
と力強く答えてくれた。
やはり相当なこだわりも持っているようだ。

さすがに今はやっていないと言っていたが、いつか彼女の情熱の炎が、また燃え出す日が訪れるやもしれない。
雪景色の中をフラフラ彷徨う女を見かけたら、その手にシロップがあるかどうかを確認していただきたい。
もし、イチゴかメロンシロップを持っていたならば、怪しいだろうが、どうか静かに見守っていただきたい。 と私は願う。

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2007年2月15日 (木)

思い出せない

最近ひどくなってきた物忘れ。
昨日の帰り道、カバンに入れていたはずの折り畳み傘が無い事に気付いた。
「あれっ? 今日持ってきたよなぁ?」
朝のことを思い出そうと頑張ってみたが、記憶が定かではない。
全てが昨日の事なのか、今日の事なのかも分からなくなっている。
悩みながら家に帰り棚を見てみたが、やっぱり傘は無い。 「失くしたのか・・・。」
ふと正月に引いたおみくじの 『失物  出ません。 あきらめることです』 が、頭をよぎった。
「・・・今度から気をつけよう。」

そう思っていたのだが、今日の朝、会社の引き出しに傘発見。
ちゃんと自分でしまったのだろうが、まったく覚えが無い。
何処まで行くのか、この物忘れ。
しかし、傘は見つかったが、今度は伝票を無くしてしまった。
書いたはずの振替伝票・・・
一体どこにいったのだろう。
・・・と言うより、ホントに私は書いたのだろうか。

まったく思い出せない・・・

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2007年2月11日 (日)

磁石

会社の私のデスク後ろには、資料のつまった私専用のスチール棚がある。
横着をし、後ろ手に開き戸を開け、肩を攣ること十数回。
便利だがめんどくさい資料棚である。
そんな棚の扉に、先日からマグネットシートが貼り付けてある。
小さく切られたマグネットは、ホワイトボード用に最近購入したものだ。
名前を入れて完成させなければならないのだが、後回し後回しで今に至る。

とある休み明けに出勤した私の目に飛び込んできたソレは、紅白の裏表を駆使し、綺麗な模様を作っていた。
後輩だ。
休みの前日に、マグネットで 『米』 の字をつくり、
「チョットいじれば・・・ ほら 『王』 になるでしょ~。 昔の人は、米のお陰で王になったんっすよ~。 すごいっすよね。」
というプチ知識を披露してくれたのだ。
「あの子が並べたんやな~? 私も新しい柄、作ったろ。」
そして、マグネットを重ねていた私だが、どうしてもずれる箇所がある。
よく見ると、プリップリ弾かれているのだ。
「・・・こ~んな薄いのに、ちゃんと極があるんやなぁ。」
そんなボケた事を先輩に言いながら、しばらく遊んでいたのだが、フと気になって先輩に聞いた。
「これって、どっちがS極で、どっちがM極なんやろ~?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「違うっっ!!!」
そう思った瞬間、先輩は大笑いし始めた。
「いじめられたい磁石って、どんなんやねーーーんっっ!」 単なる言い間違えである。
だが、彼はヒーヒー笑い続けている。
「エッエッM極、S極~~~っ!」

こうなったら、誰も彼を止められない。
もう、言い訳などしない。
気の済むまで笑えばいいさ。
ふっ、チンタイテンポ事件で強くなった私には、痛くも痒くもない。 
と、自分に言い聞かせていたのだが、全然成長していないどころか、ドンドン迷走していく自分が怖くなる。

なんだか私の脳内・・・ ピンク色・・・ みたいで、恐ろしい。

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2007年2月 5日 (月)

チンタイテンポ

先日、人の言い間違い話に大爆笑していた私の脳裏に、数年前の夏の日の、忌まわしき記憶がよみがえった。
思い出すたび 「ぬわぁーーーーーーーっっ!!!!」 などと叫びながら、走り出したくなる衝動に駆られる、今もって未消化の出来事・・・
ツルッと出た言葉が、こんなにも私を苦しめるなんて、思いもしなかった。

その日の事務所内には、ユックリとした時間が流れていた。
秋に近づくにつれ、忙しくなる不動産屋。
2人の男性先輩と私は、静かな夏の昼下がりを、それぞれノンビリと過ごしていたのだ。
そんな時、一本の電話が鳴り響いた。
相手は不動産業者だった。
「先日お伺いした賃貸の店舗は、まだ空いていますか?」
電話を受けた私は、先輩に確認しようと思い、「少々お待ちください。」 と保留ボタンを押し、後ろを振り返った。
そして、机に向かっている先輩達にハッキリとした口調で訊いたのだ。

「賃貸の店舗、まだありますか?」
・・・いや、そう訊いたつもりだった。
だが、私の口から出た言葉は、
「賃舗ありますか?」
だったのである。
頭の中で ”賃貸” と ”店舗” が、ごちゃ混ぜになってしまったらしく、妙な略語を口にしてしまったのだ。
「やってしまったっっ! よりにもよって 『賃ポ』 って!!!」
心の中で激しく動揺している私の目には、視線をデスクに落としたまま固まる先輩達が映っていた。
出来れば私も、このまま石になってしまいたいと強く思ったが、電話の相手を待たせるわけにはいかない。
今度は間違えないように慎重に訊きなおし、相手方に伝え、電話を置いた。
そして、恐る恐る先輩達を振り返ったのだが、笑うどころか目すら合わせてくれなかった。
『聞かなかったフリ』
それは先輩達の優しさだったのだろう。

しかし、その時の私には、その優しさが痛かった・・・

そのまま闇に葬り去られるのかと思ったその話は、事件の数日後から今現在も静かに語り継がれ、私はその度、笑いものになっているのである。

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2007年2月 1日 (木)

トイレットペーパー係

我が家だけなのだろうか・・・
『トイレットペーパー係』 が存在するのは。
いや、「今日から君を、トイレットペーパー係に任命する!」 なんて事は、いくら変わった家族とはいえ、するわけが無い。
ただ、勝手に係のようになってしまうのだ。
最初は私だけだと思っていたのだが、ある日母のつぶやきを聞き 「やっぱりかっっ!」 と心の中で叫んだ。
母は言っていた。
「これで3回続けてトイレットペーパー付け替えたから、もう当分の間、大丈夫やろ。」

ペーパーホルダーが、『カラカランッ』 と音をたてると、それが係任命の合図。

どういうわけか、一度ペーパーをかえたが最後、次もキッチリかえるはめになってしまうのだ。
なにかあるのだろうか。 未だに分からない。
ただ、勤め先の事務所が入っているビルの、女子トイレのトイレットペーパーを、いくら係期間中とは言え、1日に2度もセットしないといけなくなるのはどうなんだろう。
朝一の仕事が、トイレットペーパーのセット。
一日の締めの仕事も、ペーパーセット・・・

このなんとも言えない切なさを、解って頂けるだろうか。
係は家を出ても、係であり続けるという事なのか。
誰か答えて欲しいものだ。

やっと係が終わったと安心したのも束の間、本日 『カラカランッ』 と、また任命されてしまった私。
ここから何回連続で、かえなければいけないのだろうか。
どうか頼むから、忙しい朝に仕事を増やさないでほしい・・・

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