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2007年3月14日 (水)

幼児誘拐未遂事件

4・5歳の頃だったと思う。
母と一緒にスーパーに行ったときの事だ。
日曜日の昼間は、私達のような親子連れでごった返している。
何もかもが賑やかを超えて、やかましい。
しかし、晩ご飯の食材を買わなければいけないのだ。
母は、
「カゴとカートを取ってくるから、ここにいなさい。」
と言い、人混みを避けた階段横の私から離れ、人の波を横切っていく。
心細さを抱えながら、私は母の姿を探しつつジッとそこにいた。
母はなかなか戻ってこない。
不安がピークに達した時、それは起こった。

「!!!」
突然後ろから腕を捕まれた私は、声も出なかった。
目を大きく見開き、自分の腕をがっしり掴むおばさんの顔を、ただただ見ていた。

だが、おばさんと目が合うことはなかった。
おばさんは自分の進む方だけしか見ていなかったのだ。
「チョロチョロせんと、さっさと来なさい!」
怖い声で私に言いながら、おばさんは私の腕を掴む手に力を入れ、連れて行こうとする。
もちろん私は足を踏ん張り抵抗した。
だが、しょせんは子供。 大人にかなう訳もない。
私はズルズルと、おばさんに引きずられていった。
恐怖のあまり、依然として声も出せない私だったが、スーパーの出口を見た瞬間、
「このままじゃ、家に帰れなくなる!」
という、新たな恐怖に飲み込まれた。

「いやだっっ!!!」

心の中で叫び、私は足を踏ん張った。

そして、一瞬足を止めたおばさんに捕まれている左腕を、大きく思いっきり振った。
おばさんの手が私から離れる。
私は振り返りもせず、母の待つ階段横まで全力で走った。 スーパーでは走らない。 そんな言いつけも関係ない、見事な全力疾走だったと今でも思う。
その後、無事に母の元へ帰ることが出来たのだが、 「何処に行ってたの?」 と聞かれても、口をパクパクさせることしか出来なかった。

「本当に怖かったなぁ。」
今もたまに思い出してしまう、誘拐未遂(?)事件。
「あの時、 『助けてーっっ!!』 って叫んだら、どんな騒ぎになったんかなぁ。」
などと、一人ニヤニヤしてしまう私。
あの頃の私とは、えらい違いである。

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2007年3月 9日 (金)

賑やかポップコーン

「コレあげますわ~。 あんま美味しくないんっすけどね。」 出社するなり私に袋を差し出す後輩。
「ありがと~。」
お礼を言いながら中を覗くと、可愛い包みのチョコレートがドサッと入っていた。
「アメリカのやから、メッチャ甘いんですわ~。」
彼女はそんな言葉を口にしながら、鞄の中をガサガサひっかき回している。
「これもどうぞ。」
と、私の机に置かれたのは、これまたアメリカもののポップコーン。 レンジでチンするやつである。
レンジの中でクルクル回りながら、パンパン賑やかなコレは、彼女も大好きなのだ。
「じゃあ、夕方にチンするわ。」

そして夕方、私は約束どおりレンジの中でみるみる膨らむ袋を見ていた。
パンパンと弾ける音の間隔が短くなってきたところで、それを取り出す。
誤魔化すことなんて出来ない位、事務所中に広がるバターの香り。
後輩を待とうと思ったものの我慢できず、パカパカ口に放り込んでいった。
味が濃い。 でも美味しい。 止まらない。

そんな時、
「ええ匂いっすね~っ!」
鼻をクンクンさせながら彼女が帰ってきた。
「美味しいで~!」
私は、いい匂いを振りまく袋を渡した。
「やっぱコレっすわ~っ!」
嬉しそうにポリポリ食べていた彼女は、少し残したところで、
「出動してきますわ。」
と、仕事に戻っていった。

それから数時間後。
後輩が片付けをするため、事務所に帰ってきた。
そして、残してあったポップコーンを食べ始めた。
「お腹イッパイになってきましたわ~。 あれっ? 食べないんっすか?」
パッとこちらを向き訊ねる彼女に、

「うん。 食べるで~。」
と答えたのだが、その言葉を聞いた瞬間、袋を持ち何故か流しの方に歩いて行く。
不思議に思い見ていた私の目の前で、なんと彼女は手にしたポップコーンをゴミ箱に捨てたのだ。
「・・・・・なんで捨てるかね。」

数分後、弾けるポップコーンより賑やかに、慌てふためく彼女。
「えっ!? 食べるって言ったんっすかっ!? うわっっ! すんませんっ!! 「太るで~。」 って聞こえたから、いらんと思いましたわっっ!!! うわ~っ! うわ~っっ!! やっちゃいましたかっ!!!」
・・・うん。 思いっきり やっちゃいました。

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