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2007年4月 7日 (土)

くらげ 闇に彷徨う

最近引っ越した私。
新しい我が家は、いつも行く飲み屋から徒歩3分。
くらげの酒人生 バラ色である。
そして先日も、フラフラと飲み屋へ寄った。
まるで、街灯に吸い寄せられる羽虫のように・・・

「ごちそうさま~! また来るね~!」
これ晩ご飯に。 と、店のお母さんから赤飯を持たせてもらった私は、いつも以上に元気いっぱいだった。

そして鞄をブンブン振りながら、帰路についたのである。

「ん?」
そのまま足を進めること数分、私はハタと立ち止まった。
「・・・ありゃぁ? おろっ? はい~っ?」
どうしてだろう。 
目の前には知らない光景が広がっている。
相変わらず鞄を振りながら、私はとろけた脳内を探った。
「誰かに聞こ。」
そんな答えをだし、周りを見渡してみたのだが、人っ子一人どころか車の音すら聞こえない。
その辺の店屋も、もう明かりを落としていた。
「ひ~っひっひ!」
静かな闇の中で一人・・・
なんだか無性に笑えてきて、一人大爆笑してしまう。
 
だが、いつまでも笑っている場合では無いことに気付き、携帯を取り出し電話をかけた。
相手は、ご機嫌に呑んでいるだろう会社の先輩である。
何度かのコールの後、「どないした?」 と声がした。
ヒーヒー笑い続ける私に、怪訝そうな声で何度も尋ねる先輩。
「あんな~、私なぁ~、今、何処に居るん?」
やっとこさ言葉を発したと思ったら、そんなスットボケタ事をぬかす。
逆の立場だったら、多分 『そんなん知るかっ!』 で終わらせる事だろう。
だが、人の良い先輩は、
「また迷子か? 何が見える? どこの道通ったんや?」
と、聞いてくれる。
来た道を引き返しながら電話していたのだが、ふと横を向いたら家があった。 紛れもなく我が家だ。
家にたどり着いたその時も、電話の向こうから先輩の心配声がしていた。
本当に優しい人だ。

私の迷惑な電話を受けてしまった先輩は、どうやったらあの道で迷子になれるのかと、今も悩み続けているようだ。

迷子の翌日から、退社時間になると、 『おつかれさま~』 の後に 『迷子になるなよ~』 という声が、私に掛かるようになった。

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