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2007年5月31日 (木)

恩人は・・・③

昼休み。
事務所に戻り自分のデスクに目をやると、何やら見える。
不思議に思い確認すると、それはクッキーやチョコレートといったお菓子の山だった。
日によって、煎餅になったりスナック菓子になったりするのだが、ほぼ毎日その光景が見られるようになった。
それらを並べているのは後輩だ。
自らを 『お菓子ハンター』 と言うほど、菓子類が大好きな彼女は、毎日お裾分けと言って私の机の上に置いてくれるのだ。
だが私は、まだ食が細いままだった。

しかし、嬉しそうにお菓子を食べる彼女につられ、いつしか菓子に手を伸ばすようになっていった私。
それからの私は、美味しそうなお菓子や変わったお菓子を見つけては買い求め、彼女と食べるのを楽しむようになっていた。

食べることを楽しいと思えたのはこの頃だった。
そして、物静かな後輩が姿を消したのもこの頃だった・・・

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2007年5月30日 (水)

恩人は・・・ ②

気が付くと3年、そんなふうに待ちながら過ごしていた。
劇的な回復もなく、食事もまだ恐る恐るといった感じだった。

そんな日々を送っていた昨年、私の前に一人の女性が現れた。
私より4歳年下の静かな彼女は、職場の後輩だ。
無駄口をたたかず、解らないなりに仕事に精を出す後輩。
コーヒーに砂糖とミルクは入れるのかと尋ねた私に 
「いえ・・・このままで・・・」
と、小さく小さく答えた彼女。
本当はブラックを飲めないと気付いたのは、次の日。
私に見えないようにコッソリと、ミルクと砂糖を入れていた後ろ姿を見た時だった。
遠慮するあまり、「ミルクも砂糖もいる。」 と言えなかったようだ。
本当に控えめな女性だった。
本当に懐かしい。

あれから1年。
そんな彼女はもう居ない。
静かな後輩は、どこかに消えてしまったのだ・・・

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2007年5月29日 (火)

恩人は・・・ ①

4年ほど前の私は最悪だった。
体が食べ物を受け付けなくなったのだ。
重湯さえ拒否をする。 
そんな状態だったので、あっと言う間に私の体重は33㎏まで落ちた。
「どうにかしないと! どうしよう!」 
焦れば焦るほど悪くなる。
出口のない真っ暗な部屋に、独り放り込まれたようだった。
誰に言っても解ってもらえないもどかしさ。
寂しくて辛くて悔しくて、どんどん自分の中に黒いものが溜まっていく。
そして鬱病になった。

それでも薬を飲みながら、重い体を引きずるように仕事に行っていた。
よく続けたと思う。 会社側も、よく続けさせてくれたと感謝している。

薬の副作用に苦しんでしばらくたった頃、私は病院を替えることにした。
私を一目見た先生が息を呑んだのを、今でもはっきり覚えている。
「あぁ、私はとんでもない状態なんだなぁ。」 と改めて思ったものだ。
血液、エコー、胃カメラ。
検査の結果、食べ物を受け付けなくなった原因は、胃からの出血だということが判った。
そしてその出血の原因は、ストレスとの事だった。

その後、薬のお陰で少しずつ、本当に少しずつ、体は回復していったのだが、やはり心の方は時間が掛かるらしく、大丈夫と解っていながらも食事はほとんど出来なかった。
食事を前にすると、苦しく辛かった時の記憶が蘇ってくるのだ。
しかし、それ以外は安定していた。
後は気長に、心が癒えるのを待つしかない。
そう思えるまでになっていた。

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2007年5月22日 (火)

『グレイ』 か 『ミスチル』

ある日曜日。
「おっもい、おっもい、重いよ~。」
大きくなった買い物袋を肩に提げた私は、フ~ラリヨロ~リ歩いていた。
「ビール6缶パック買わんでよかった~。」
そんなものまで買っていたら、多分途中で泣いていたことだろう。 本当によかった。
「もうちょっと、もうちょっと。」
自分を励ましながら足を進め、やっと家が見えた。 と、その時、一台の自転車が私を追い越した。
その自転車に乗っていた男性は、追い越し際にありえないほどあからさまに私の顔を覗き込んだ。
「おっのれ誰やねんっ!」 心の中で激しく毒づきながら、肩からずり落ちそうになっていた買い物袋を提げ直し、顔を上げた私は驚いた。
先程の男性が、自転車を止めこちらを見ている。
「おいおい、ホンマ誰やねんっ!」
かなりムカつきながら、その男の横を通り過ぎようとしたら声をかけられた。

「くらげちゃんちゃうん? 何しとん!?」
会社関係の知り合いだった。
度数調整の甘い眼鏡をかけていたので気が付かなかったのだ。

「ああ~、久しぶり。 元気してた? 今、家帰る途中やねん。」
そう答えた私に、
「引っ越ししたん? いつ? 俺の実家ココやねん。 家、この近く? 何? 彼氏と同棲?」
とたたみ掛けるように聞いてくる彼。
「引っ越しはしたけど同棲ちゃうで~。 まぁ家は、この近くっちゃ~近くかなぁ。」
と、教える必要もないだろうと言葉を濁していた私。
本当は歩いて30秒かからないほどの距離なのだが。
そんなハッキリしない答えを繰り出す私に、彼は言った。
「グレイかミスチルのCD貸してくれへん?」
あまりにも唐突だったので、思わず 
「何で? どないしたん? 何かあったん?」

と訳の解らないことを口走ってしまった。
「えっ? 聴きたいと思って・・・」
しどろもどろに答えた彼に、
「ごめん。 CD全部置いてきたわ。」
と、事実を話した。
「そっか~、残念やなぁ・・・ じゃあまた・・・ あっ今度、家に呼んでな。 お祝いしよう!」
私は立ち話の途中から、「早く帰って、卵を冷蔵庫に入れたその手で、ビールを取りだしゴックリ飲みたい!」 ということしか考えられなくなっていた。
なので、適当に 「機会があればね~。」 などと言いながら、彼に背を向けフラフラと家路を急いだ。

荷物を下ろし、冷えたビールを飲んで、一息ついたところで気が付いた。

『グレイ か ミスチル』
あれは今から家に行ってもいいか? ということだったのか。
それを全く気付かずに、ちんぷんかんぷんな言葉を連発していた私。
まぁ、気付いていたとしても、あまり結果は変わらないだろうが・・・

どうやら私の恋のアンテナは、ポッキリ折れたままらしい。

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2007年5月17日 (木)

凹・・・

体がだるくて起きあがれない。
今日は会社、休もうかなぁ。

なんて考えていたのに、本日期限の払込通知票やその他モロモロが頭をかすめる。
や~っぱり行かねばなるまい。
気合いを入れて体を起こし、台所に移動。
お弁当をつめようと、炊飯器をパカッと開ける。
米。
真っ白に輝く米。
そして私の頭の中も真っ白。

『タイマー予約忘れてるーーーーーっっっ!』

本気で休もうかと思った。
だが気力を振り絞り、やって来た会社。

いつものようにパソコンに向かう。
だんだん調子にのってきて、パカパカ入力をしていった。

「やれば出来るやん!」

自己満足な女。
でも・・・
『駐車場』 が 『駐車女医』 になってるーーーーっっっ!
どうせなら 『注射女医』 って変換してほしかった。
・・・別にいいんですけど。

昨日と今日の私は、いつも以上にボンヤリしているようだ。

あぁ、お昼何食べよぉ・・・

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2007年5月16日 (水)

待ち人現る!?

今、とても気になる男性がいる。
夜も眠れないほど気になる人。
とても元気な彼は、驚くほどマッチョだ。
そして大きな体でブンブン動いている・・・
ブンブンブンブン・・・・・・・

あぁ、ビリーーーーーッ!

ご存知の方もおられるだろう。
ビリーズブートキャンプの彼である。
深夜のテレビで彼を見た瞬間、すっかり心を奪われてしまったのだ。
会社や飲み屋でも、ず~っと彼の話ばかりである。
周りの人間は迷惑だろうが止められない。
・・・いや、好みのタイプ云々ではなく、何て言うか・・・

そう! 救世主! 
神様 仏様 ビリー様! そんな感じか。

見て見ぬ振りをし続けた己の肉体。
それももう限界だ。
油断しきったこの体を、どうにかせねばと思っていたその時、彼を見てしまったのだ。
そしてそれを、勝手に運命だ。 と思ってしまった。
今度の給料日に買おうと心に誓っているのだが、不安な事がある。
それは、私の根性。
しんどい事はしない主義の私が、この孤独の戦いに勝てるのだろうか。 
やはり不安だ。

なんとかビリーに励まされながら、頑張りたいものである。
頼んだぞ、ビリー!

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2007年5月15日 (火)

どんな人・・・?

昨日の帰りに後輩が聞いてきた。
「今日は寄らないんっすか? 一杯行きません?」
「じゃあチョットだけやで。体調悪いし。」
という訳で、いつも行く飲み屋さんで、ヘラヘラ飲んでいた。

「さっさと帰るんやで。」
9時過ぎにそんな言葉をかけられ送り出された私達は、ニッコリ笑って 「はぁ~い!」 と可愛い返事をする。
だが足は、2件目に向かうべく駅とは違う方へ進んでいった。
次の店でも、ギャーギャー言いながら飲んでいたが、フと気が付くと、もう12時だ。
「電車はあるけど、バスがない・・・」
時計を見ながらブツブツ言っていた彼女がパッと顔を上げた。
「タオルケットとかあります?」

彼女が家にやってきた。

帰り道のコンビニで仕入れた酒とつまみと共に。
夜中、酒が入った女のおしゃべりは、やがてとんでもないエロ話に突入していく。
「えっ? ホンマっすか!?」
「ま~じで!?」
延々と繰り広げられるディープな世界に、ギャハギャハ笑っていたのだが、後輩が急に私の顔をマジマジと見つめだした。
「何よ?」
その言葉を聞いた彼女はニヤッと笑い、私に言葉を投げてきた。

「くらげさんがそんな人やとは、思いませんでした~! ギャハハハーッ!」

・・・ん? そんな人ってどんな人?
よくは解らないが、今まで積み上げてきた私の何かが、あっけなく崩れる音がした。

そんな人。
たぶん・・・どっちもどっちだと思いますが。

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2007年5月 4日 (金)

違和感

先日、駅に向かっていた私は、違和感を覚え立ち止まった。
「何か踏んだか。」
ゲンナリしながら道の端に寄り、靴の裏を確かめた。
右を見、左を見たが、何もおかしな所はなかった。
「ありゃっ?」
首を傾げながら再び歩き出したのだが、やはり違和感がある。
私はまた道の端に寄り、靴の裏を確認した。
が、やはり変わった事は無かった。
そしてまたまた首を傾げつつ歩き出したのだが、先程と同じ違和感が私を襲う・・・

「何かがおかしいっ!」
今度は立ち止まらずに、歩いている自分の足元を見た。

「・・・・・・」
そこには右と右、左と左という、明らかに間違ったペアを組み前進しようともがく足と腕があった。
違和感の原因は、このぎこちない歩き方にあったらしい。
一体どうやったら自然にこのような歩き方が出来るのだろう。

まったくもって謎である。
その日の私は、一日中首を傾げ、過ごす事になった。

眠たい朝の私は、不思議がイッパイである。

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